声を記録する時代は終わった — AIボイスレコーダーが変える「聞く」の意味
ハクア
イロハ
ai 対話形式

声を記録する時代は終わった — AIボイスレコーダーが変える「聞く」の意味

Anker Soundcore Workは「世界最小10g」を謳うAIボイスレコーダー。月300分の無料枠、PLAUD Noteとの設計思想の違い、サブスク時代のガジェット選びの本質を、ハクアとイロハが検証する。

AIボイスレコーダーSoundcore WorkAnker文字起こし議事録

AIが議事録を自動で作る時代になった。ボイスレコーダーはもう「録音するだけの道具」ではない。

Ankerが送り出したSoundcore Workは、コイン大・10gのボディにAI文字起こし・話者識別・要約機能を詰め込んだ。PLAUD Note Proとの思想の違いは何か。「月300分」の無料枠は本当に足りるのか。


対話パート1: 「10gのAIレコーダー」

L-yard 編集室。ハクアが新しいガジェットを手にしている

ハクア
ハクア

……見て見て見て。これ。

イロハ
イロハ

……小さいですわね。イヤホンの充電ケースかと思いました。

ハクア
ハクア

Ankerの新作。Soundcore Work。AIボイスレコーダー。本体10g。磁石で胸元にパチって留めるの。

イロハ
イロハ

……10グラム。

ハクア
ハクア

500円玉が7gだよ? ほぼそのくらい。で、デュアルマイクで5m先の声まで拾って、GPT-5.2で文字起こしして、話者を自動識別して、議事録テンプレートで要約までやってくれる。

イロハ
イロハ

……いくらですか。

ハクア
ハクア

24,990円。

イロハ
イロハ

……それだけですか?

ハクア
ハクア

もちろん文字起こしにはサブスクがある。でも月300分まで無料。Proは月2,680円。

イロハ
イロハ

……月300分。5時間。


対話パート2: 「300分の壁」

ハクア
ハクア

週に2〜3回の会議なら余裕でしょ。1回30分〜1時間として、月10回で5時間。ちょうどいいくらい。

イロハ
イロハ

……その計算は「すべての会議が1時間以内で終わる」前提ですわね。

ハクア
ハクア

……。

イロハ
イロハ

週5日、1日2回の会議がある人。月40回。1回平均45分なら、月1,800分。無料枠の6倍です。

ハクア
ハクア

そういう人はPro入ればいいんだよ。月2,680円で1,200分。

イロハ
イロハ

1,200分でも足りない場合は?

ハクア
ハクア

Unlimitedが年38,980円。

イロハ
イロハ

本体24,990円+年38,980円。初年度は約64,000円。

ハクア
ハクア

……まあ、でも秘書を雇うよりは安い。

イロハ
イロハ

秘書と比較してどうするのですか。比較対象は他のAIレコーダーでしょう。


対話パート3: PLAUD Note Proとの設計思想の差

ハクア
ハクア

……PLAUDのことでしょ。

イロハ
イロハ

PLAUD Note Pro。30,800円。

Soundcore WorkPLAUD Note Pro
価格24,990円30,800円
重量10g30g
マイクMEMS×2MEMS×4 + VPU×1
ストレージ8GB(250時間)64GB
バッテリー8時間(単体)30〜50時間
AIモデルGPT-5.2GPT-5.2 / Claude / Gemini
要約テンプレート30種10,000種以上
無料枠月300分月300分
ハクア
ハクア

……テンプレート10,000種って何。

イロハ
イロハ

PLAUDはソフトウェアの拡張性に振り切っている。AIモデルも3つから選べる。一方Soundcore Workは——

ハクア
ハクア

ハードウェアの最小化に振り切ってる。

イロハ
イロハ

そう。PLAUDは「AIソフトウェアの器としてのレコーダー」Soundcore Workは「身に着けることを忘れるレコーダー」。設計思想が違う。

ハクア
ハクア

……どっちが正しいの?

イロハ
イロハ

どちらも正しい。ただし、ユーザーの使い方によって正解が変わる


対話パート4: 「誰が」使うかで答えが変わる

イロハ
イロハ

整理しますわ。

ユーザータイプ推奨理由
週2〜3回の会議Soundcore Work無料枠で十分。軽さは正義
毎日複数会議PLAUD Note Proバッテリー・ストレージに余裕
要約品質にこだわるPLAUD Note Proテンプレート数・モデル選択が圧倒的
会議室に置いて使うどちらでもウェアラブル性は関係ない
取材・インタビューSoundcore Work10gは相手に圧迫感を与えない
オンライン会議録音どちらも不向きZoom/Teams内蔵機能を使うべき
ハクア
ハクア

オンライン会議、ダメなの?

イロハ
イロハ

両方ともマイクで空気振動を拾う設計ですから。PCスピーカーの音をマイクで拾うのは品質が落ちます。オンライン会議はアプリの録画・録音機能を使う方が確実。

ハクア
ハクア

つまり、対面会議に特化したガジェットなんだ。

イロハ
イロハ

その通り。リモートワーク全盛の今、対面の場面でこそ真価を発揮するというのは皮肉ですわね。


対話パート5: Ankerが参入した意味

ハクア
ハクア

でもさ、Ankerが作ったことには意味がある気がする。

イロハ
イロハ

……どういう意味で?

ハクア
ハクア

PLAUDは専業メーカーでしょ。累計150万台って言ってるけど、一般の人は名前すら知らない。でも「Ankerのレコーダー」って言われたら——

イロハ
イロハ

……「あのAnkerが作ったの?」と。

ハクア
ハクア

そう。モバイルバッテリーやイヤホンで信頼を積み上げてきたブランドが、AIレコーダー市場に入ってきた。それだけで「ああ、このジャンルは本物なんだ」って認知される。

イロハ
イロハ

……市場の正当化、ですわね。

ハクア
ハクア

Ankerの参入は、AIレコーダーが「ガジェット好きのおもちゃ」から「ビジネスパーソンの道具」になった証拠だと思う。

イロハ
イロハ

価格帯も25,000円を切っている。PLAUDの30,800円に対して、明確にエントリー価格を狙っている。

ハクア
ハクア

つまり「初めてAIレコーダーを買う人」はSoundcore Work、「すでに使っていてもっと高機能が欲しい人」はPLAUD。

イロハ
イロハ

……その整理、悪くありませんわ。


対話パート6: 「録音」から「理解」へ

ハクア
ハクア

……そういえばさ、タイトルに「声を記録する時代は終わった」って書いたけど。

イロハ
イロハ

はい。

ハクア
ハクア

本当にそうなのかな。AIが文字起こしして要約してくれても、「聞く」行為の本質は変わらない気がする。

イロハ
イロハ

……興味深い問いですわね。

ハクア
ハクア

たとえば、AIが議事録を完璧に作ってくれたとして。でもその会議で「あの人の声のトーンが怒っていた」とか「沈黙の間が長かった」とか——そういうのはテキストに残らない。

イロハ
イロハ

テキスト化は情報の圧縮であって、体験の再現ではない。

ハクア
ハクア

うん。だから「AIレコーダーがあれば会議に出なくていい」は間違いだと思う。

イロハ
イロハ

同意します。AIレコーダーは「聞いていたのに聞き逃した部分を補完する道具」であって、「聞かなくていい免罪符」ではない。

ハクア
ハクア

……道具の本質を見誤らないこと、か。

イロハ
イロハ

どんなAIガジェットにも言えることですわ。


選択ガイド

質問回答推奨
初めてAIレコーダーを買う?はい →Soundcore Work
毎日3回以上会議がある?はい →PLAUD Note Pro
要約テンプレートが重要?はい →PLAUD Note Pro
とにかく軽さ・携帯性重視?はい →Soundcore Work
オンライン会議の録音が主目的?はい →アプリ内蔵機能を使うべき

まとめ: 道具は「聞く姿勢」を映す

ハクア
ハクア

AIレコーダーの選択は、機能比較の問題じゃないんだな。

イロハ
イロハ

「自分が会議で何を聞きたいのか」の問い。Soundcore Workは「まず始めてみる」人のための道具。PLAUD Note Proは「すでに活用している」人のための道具。

ハクア
ハクア

そして、どちらを選んでも、AIが聞いてくれるから自分は聞かなくていいとはならない。

イロハ
イロハ

その通り。道具は使う人の姿勢を増幅します。聞く気がある人にとってはAIレコーダーは最良の補助輪。聞く気がない人にとっては——

ハクア
ハクア

——ただの録音機だ。

イロハ
イロハ

ふふ。


録音技術は完成した。文字起こし精度は97%に達した。話者識別も要約も自動化された。

それでも、「聞く」ことの価値は、テクノロジーでは代替できない。

AIレコーダーが本当に変えるのは「記録」ではない。**「記録のあとに何をするか」**だ。


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