デザイナー必須!配色の基礎理論と実践テクニック
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デザイナー必須!配色の基礎理論と実践テクニック

色彩理論の基礎から、実践的な配色テクニックまでを解説。補色、類似色、トライアドなど、すぐに使える配色パターンを紹介。色の三属性(色相・彩度・明度)をHSLで理解し、明日から使えるデザイナー必須の配色知識を体系的に提供する。

2026/2/15更新
配色色彩理論デザイン基礎

色は、言葉よりも先に届きます。

Webサイトを開いた瞬間、ユーザーが最初に知覚するのはレイアウトでもタイポグラフィでもなく、です。わずか50ミリ秒——まばたきの半分にも満たない時間で、私たちは色から「信頼できそう」「楽しそう」「高級そう」といった印象を受け取っています。

だからこそ、配色で失敗すると、どれだけ優れたコンテンツも台無しになる。逆に、配色が適切なら、平凡なコンテンツでも「なんとなく良さそう」という第一印象を獲得できます。

この記事では、デザイナーが最低限押さえるべき配色の基礎理論と、明日から使える実践テクニックを解説します。


色を「操る」前に、色を「理解」する

配色を学ぶとき、多くの人がいきなりツールに飛びつきます。Adobe ColorやCoolorsで「良い感じ」の配色を探し、それをコピーして使う。

これは効率的ですが、応用が利きません

なぜその配色が「良い感じ」に見えるのか。別のプロジェクトで同じ配色が使えないのはなぜか。そうした問いに答えられないまま、場当たり的に配色を選び続けることになります。

配色を「操る」には、まず色そのものを「理解」する必要があります。


色の三属性——HSLで考える

色を語るとき、「赤」「青」「緑」といった色名だけでは不十分です。同じ「赤」でも、鮮やかな赤、くすんだ赤、明るい赤、暗い赤——無数のバリエーションがあります。

これらを体系的に捉えるのが色の三属性です。

色相(Hue)——色の「種類」

色相は、色の種類を表します。赤、オレンジ、黄、緑、青、紫——これらは色相の違いです。

色相は円環状に配置できます。これを**色相環(カラーホイール)**と呼びます。向かい合う色は「補色」、隣り合う色は「類似色」。この位置関係が、配色の理論的基盤になります。

彩度(Saturation)——色の「鮮やかさ」

彩度は、色の鮮やかさを表します。彩度が高いと原色に近い鮮やかな色、低いとグレーに近い落ち着いた色になります。

Webデザインでは、彩度のコントロールが命です。

彩度が高すぎる色ばかり使うと、目がチカチカして疲れる。逆に彩度が低すぎると、メリハリがなくぼんやりした印象になります。「ここぞ」というポイントだけ彩度を上げ、その他は抑える——この緩急が、洗練されたデザインを生み出します。

明度(Brightness/Value)——色の「明るさ」

明度は、色の明るさを表します。明度が高いと白に近く、低いと黒に近くなります。

明度は視認性に直結します。背景と文字の明度差が小さいと読みにくく、大きいとくっきり見える。アクセシビリティの観点からも、明度のコントロールは必須スキルです。


RGB? HEX? HSL?——色指定の選び方

Webの世界では、色を指定する方法がいくつかあります。

表記法用途
HEX#3B82F6CSSで最も一般的
RGBrgb(59, 130, 246)透明度を使うときはRGBA
HSLhsl(217, 91%, 60%)配色を調整するときに便利

実務ではHEXを使う場面が多いですが、配色を考えるときはHSLで捉えると楽です。

なぜなら、HSLなら色相・彩度・明度を独立して調整できるから。「同じ青系で、もう少し落ち着いた色」が欲しければ、彩度を下げればいい。「同じ鮮やかさで、もう少し暗く」したければ、明度を下げればいい。

RGBでこれをやろうとすると、3つの数値を同時に調整しなければならず、直感的ではありません。


配色パターン——先人の知恵を借りる

「どの色を組み合わせればいいのか」——配色の最大の難問です。

幸い、この問いには理論的な回答があります。色相環上の位置関係に基づく、定番の配色パターンです。

補色(Complementary)

色相環で正反対に位置する2色の組み合わせ。

  • 例:青 × オレンジ、赤 × 緑、黄 × 紫

補色は最もコントラストが強い組み合わせです。互いを引き立て合い、視覚的なインパクトを生みます。

使いどころ: CTAボタン、強調したい要素、ロゴ

注意点: 補色を同じ面積で並べると、視覚的にうるさくなります。どちらかを主役、どちらかを脇役にするのがコツ。

類似色(Analogous)

色相環で隣り合う色の組み合わせ。

  • 例:青 × 青緑 × 緑、オレンジ × 黄 × 黄緑

類似色は調和が取れた、統一感のある印象を与えます。自然界でよく見られる配色パターンでもあります(森の緑、空のグラデーションなど)。

使いどころ: コーポレートサイト、落ち着いた雰囲気のデザイン、グラデーション

注意点: コントラストが弱いため、メリハリをつけにくい。アクセントカラーを別途用意するとよい。

トライアド(Triadic)

色相環で正三角形の位置にある3色

  • 例:赤 × 黄 × 青、オレンジ × 緑 × 紫

トライアドはバランスが良く、活発な印象を与えます。三原色(赤・黄・青)はトライアドの典型例です。

使いどころ: 子供向けデザイン、ポップなデザイン、イベント告知

注意点: 3色すべてを強調すると散漫になる。1色をメインに、残り2色をアクセントにするのがセオリー。

スプリット補色(Split Complementary)

補色の代わりに、補色の両隣2色を使う。

  • 例:青 × 黄オレンジ × 赤オレンジ

補色ほど強烈ではないが、十分なコントラストがある。補色より扱いやすいのが利点です。

テトラード(Tetradic)

色相環で長方形の位置にある4色

豊かな色彩表現が可能だが、バランスを取るのが難しい。上級者向けのパターンです。


60-30-10の法則——比率で決まる

配色パターンを選んだら、次は比率です。

インテリアデザインの世界で生まれた60-30-10の法則は、Webデザインにもそのまま適用できます。

比率役割
60%メインカラー背景、余白
30%サブカラーカード、セクション背景、テキスト
10%アクセントカラーボタン、リンク、強調要素

この比率を守ると、視覚的に安定した配色になります。

よくある失敗は、アクセントカラーの使いすぎ。「目立たせたい」という気持ちから、あれもこれもアクセントカラーにしてしまう。結果、何も目立たなくなる——皮肉な話です。

アクセントカラーは本当に重要なものだけに使う。CTAボタン、エラーメッセージ、通知バッジ。それ以外は、メインとサブで済ませる。


コントラスト比——アクセシビリティの必須知識

配色を語るとき、アクセシビリティを避けて通ることはできません。

色覚特性は人それぞれです。赤と緑の区別がつきにくい人、明度差が小さいと読みにくい人——様々なユーザーがWebサイトを訪れます。

**WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)**では、テキストと背景のコントラスト比に基準を設けています。

用途最低コントラスト比(AA)強化基準(AAA)
通常テキスト4.5:17:1
大きなテキスト(18px以上)3:14.5:1
UI要素3:1-

コントラスト比4.5:1とは、どのくらいの差でしょうか。

  • 白背景(#FFFFFF)に黒テキスト(#000000)→ 21:1(十分すぎるほど)
  • 白背景(#FFFFFF)にグレーテキスト(#757575)→ 約4.6:1(ギリギリ合格)
  • 白背景(#FFFFFF)に薄いグレー(#AAAAAA)→ 約2.9:1(不合格)

「おしゃれなグレー」を使いたくなる気持ちはわかりますが、読みにくければ本末転倒。見た目の美しさと読みやすさ、両立できる落としどころを探りましょう。


実践:配色プロセスの例

理論を学んだら、実際に手を動かしてみましょう。あるコーポレートサイトの配色を考えるとします。

ステップ1:メインカラーを決める

ブランドカラーがあれば、それがメインカラー。なければ、企業の雰囲気やターゲット層から導き出します。

例:信頼感を重視するBtoB企業 → 青系を選択(#3B82F6)

ステップ2:配色パターンを選ぶ

青をメインにするなら、どのパターンを使うか。

  • 補色(オレンジ)→ 強調が必要なとき
  • 類似色(青緑〜紫)→ 統一感重視
  • スプリット補色(黄オレンジ、赤オレンジ)→ バランス型

今回は類似色を選択。サブカラーを青紫(#6366F1)に。

ステップ3:アクセントカラーを決める

アクセントは、補色系から選ぶとメリハリがつきます。

青の補色はオレンジ。少し落ち着かせて**琥珀色(#F59E0B)**を選択。

ステップ4:明度バリエーションを作る

メインの青をベースに、明度違いのバリエーションを作ります。

  • 明るい青(背景用):#EFF6FF
  • 中間の青(ホバー用):#2563EB
  • 暗い青(テキスト用):#1E40AF

ステップ5:コントラスト比を確認

テキストと背景の組み合わせをチェック。基準を満たさない場合は、明度を調整します。


おすすめツール

配色を決める際に役立つツールを紹介します。

L-Yard カラーコード変換

HEX、RGB、HSL、CMYKを相互変換。コントラスト比も確認可能です。

カラーコード変換ツールを使う →

Adobe Color

色相環から配色パターンを生成。画像から配色を抽出する機能もあります。

Coolors

スペースキーを押すだけで、ランダムな配色を生成。気に入った色をロックして、残りを再生成できます。

Realtime Colors

配色をリアルタイムでWebサイトに適用してプレビュー。実際の見え方を確認しながら調整できます。

Contrast Checker

WCAGのコントラスト比を簡単にチェック。AA/AAAどちらの基準を満たすかが一目でわかります。


まとめ——配色は「感覚」ではなく「技術」

配色は才能の問題ではありません。再現可能な技術です。

色の三属性を理解し、配色パターンを学び、比率を守り、コントラスト比をチェックする——これらのプロセスを踏めば、誰でも「破綻しない配色」は作れます。

そこから先、「心に響く配色」「記憶に残る配色」を生み出すには、観察と試行錯誤の積み重ねが必要です。街を歩き、ポスターを見、Webサイトを巡り、「なぜこの配色は心地よいのか」を言語化する。

その繰り返しが、あなたの配色センスを育てていきます。

ポイント:

  • ✅ 色の三属性(色相・彩度・明度)をHSLで理解する
  • ✅ 配色パターン(補色・類似色・トライアド)を使い分ける
  • ✅ 60-30-10の法則で比率を決める
  • ✅ コントラスト比4.5:1以上を確保する
  • ✅ ツールを活用して効率化する

まずは補色と類似色から試してみてください。理論を知った上で手を動かせば、「なんとなく」から「根拠を持って」への転換が始まります。


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