ダイレクトドライブ時代の幕開け
主要3メーカーのダイレクトドライブホイールベースを徹底比較
2020年代、シムレーシングのホイールベースはダイレクトドライブが主流になりつつある。
ベルトドライブやギアドライブでは得られない、ダイレクトなフィードバックと圧倒的なトルク。一度体験すれば、もう戻れないと言われるほどの衝撃がそこにはある。
本記事では、一般消費者向けに販売されている主要3メーカーのダイレクトドライブ製品を徹底比較する。
比較対象製品
| 製品 | メーカー | 最大トルク | PS5対応 | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|
| Gran Turismo DD Pro | Fanatec | 8Nm | ◎(公式) | 約8万円 |
| T818 Direct Drive | Thrustmaster | 10Nm | ×(PC専用) | 約9万円 |
| G PRO Racing Wheel | Logitech | 11Nm | ◎(公式) | 約13万円 |
※価格は2026年1月時点の参考価格
Fanatec Gran Turismo DD Pro
概要
ソニー・インタラクティブエンタテインメントとFanatecの共同開発製品。PlayStation公式ライセンスを取得した初のダイレクトドライブホイールベースだ。
スペック詳細
- 最大トルク: 5Nm(標準)/ 8Nm(Boost Kit Lite使用時)
- 回転角度: 最大2520°
- 接続: USB-C
- 対応: PS5/PS4/PC
- 重量: 約6.3kg
メリット
- PlayStation公式ライセンス: GT7との完璧な互換性
- 価格対性能比: 8万円でダイレクトドライブ
- エコシステム: Fanatec製品との高い親和性
- QRシステム: ステアリング交換が容易
デメリット
- Boost Kitが別売: フルパワーには追加投資が必要
- ペダル別売: 初期投資が膨らみやすい
- Xbox非対応: Xboxユーザーは別製品が必要
総評
PS5ユーザーにとって、現時点で最もバランスの取れた選択肢。8Nmは決して最高スペックではないが、一般的なプレイには十分すぎるトルクだ。
Thrustmaster T818 Direct Drive
Thrustmaster T818 - 10Nmのハイトルクを誇るPC専用ダイレクトドライブ
概要
Thrustmasterが満を持して投入したダイレクトドライブホイールベース。10Nmのハイトルクと高精度FFBが特徴。
スペック詳細
- 最大トルク: 10Nm
- 回転角度: 最大2160°
- 接続: USB
- 対応: PC専用
- 重量: 約4.3kg
メリット
- ハイトルク: 10Nmは競合を上回る
- 軽量設計: 約4.3kgで取り回しやすい
- 高精度FFB: Thrustmaster独自のアルゴリズム
- 静音性: 非常に静か
デメリット
- PC専用: コンソールでは使用不可
- ステアリング別売: 初期投資が膨らむ
- エコシステム: Fanatecほど充実していない
総評
PC専用と割り切れるなら、価格対トルク比は優秀。10Nmのパワーは、ハイダウンフォースカーやラリーカーで真価を発揮する。
Logitech G PRO Racing Wheel
Logitech G PRO Racing Wheel - 11Nmの最大トルクを誇るフラッグシップモデル
概要
Logitechがプロeスポーツ向けに開発したフラッグシップモデル。11Nmの最大トルクと、TRUEFORCE技術による高精度FFBを搭載。
スペック詳細
- 最大トルク: 11Nm
- 回転角度: 最大1080°(設定で変更可能)
- 接続: USB-C
- 対応: PS5/PS4/PC/Xbox(別バージョン)
- 重量: 約5.5kg
メリット
- 最大トルク: 11Nmは比較対象中最高
- PlayStation/Xbox両対応: バージョン選択で対応
- TRUEFORCE: 高精度FFBシステム
- ビルドクオリティ: 非常に高い品質
デメリット
- 価格: 約13万円と高価
- 専用ステアリングのみ: 交換の選択肢が限られる
- エコシステム: Fanatecほど広くない
総評
予算に余裕があり、最高スペックを求めるなら最有力候補。11Nmのトルクと高いビルドクオリティは、価格に見合う価値がある。
使用感の比較
FFB(フォースフィードバック)の質
GT DD Pro: バランスが良く、初心者から上級者まで満足できる。特にGT7との最適化が秀逸。
T818: シャープで情報量が多い。細かい路面状況まで手に伝わってくる。
G PRO: TRUEFORCEによる高精度FFBは、エンジン振動まで再現。没入感が高い。
静音性
3製品ともダイレクトドライブのため、非常に静か。夜間のプレイでも家族に迷惑をかけにくい。
発熱
長時間プレイでの発熱は、いずれも問題ないレベル。内蔵ファンが効率的に動作する。
エコシステム比較
各メーカーのエコシステムは拡張性に大きな違いがある
Fanatec
ステアリング、ペダル、シフター、ハンドブレーキなど、豊富なアクセサリーラインナップ。将来的な拡張性が最も高い。
QRシステムにより、ステアリングホイールの交換が容易。気分や使用する車種に応じて、ラウンド型からフォーミュラ型まで自由に選べる。
Thrustmaster
ステアリングホイールのラインナップは豊富。Ferrari公式ライセンス製品など、デザイン性の高い製品が揃う。
ペダルはT-LCMという優秀な製品があるが、Fanatecほどの選択肢はない。
Logitech
G PROシリーズのペダル(G PRO Racing Pedals)は高品質だが、選択肢は限られる。
ステアリングホイールの交換は現時点で不可(専用設計)。将来的な拡張性はやや劣る。
プラットフォーム別おすすめ
PlayStation(PS5/PS4)
第1候補: Fanatec GT DD Pro
- 公式ライセンスでGT7との相性抜群
- コストパフォーマンスに優れる
第2候補: Logitech G PRO
- 最大トルクと高品質を求めるなら
- 価格は高いが満足度も高い
Xbox
第1候補: Logitech G PRO(Xbox版)
- Xbox公式ライセンス
- ハイスペック
第2候補: Fanatec CSL DD
- GT DD Proのベースとなる製品
- Xbox対応版を選択
PC
コスパ重視: Fanatec GT DD Pro
- PCでも問題なく使用可能
- 8万円でダイレクトドライブ
トルク重視: Thrustmaster T818
- 10Nmのハイトルク
- PC専用だがコスパ良好
最高スペック: Logitech G PRO
- 11Nmと高いビルドクオリティ
- 予算があるなら最有力
結論:どれを選ぶべきか
GT DD Proを選ぶべき人
- PS5でGT7をメインにプレイ
- 初めてのダイレクトドライブ
- Fanatecエコシステムで将来拡張したい
- 予算8〜10万円
T818を選ぶべき人
- PC専用で問題ない
- ハイトルクを求める
- Thrustmaster製品を既に持っている
- 予算9〜12万円
G PROを選ぶべき人
- 最高スペックを求める
- PS5またはXboxで使用
- 予算に余裕がある(13万円以上)
- Logitechブランドへの信頼
どの製品を選んでも、ベルトドライブからの劇的な進化を体感できる。重要なのは、自分のプレイスタイルと予算に合った製品を選ぶことだ。
ダイレクトドライブの世界へようこそ。その先には、まったく新しいシムレーシング体験が待っている。