サブスク棚卸し
イロハが真剣な顔でスマートフォンの画面を見ている。ハクアが覗き込むと、クレジットカードの利用明細だった。
月額いくら払ってる?
L-yard 編集室。給料日の翌日。
ハクアちゃん。一つ質問していいですか。
なに。
今、月額でいくらサブスクリプションに払っていますか?
(考えて) ……3,000円くらい?
本当に? 一つずつ数えてみましょう。
ハクアがスマートフォンのサブスク一覧を開く。
えーと、Amazon Prime 600円、iCloud 130円、Spotify 980円、ChatGPT Plus 3,000円くらい、GitHub Copilot 1,300円くらい、Netflix 790円——
もう6,800円を超えていますよ。
……あれ?
「使っている」と「契約している」は違う
わたしも同じ現象に陥っていました。先月の棚卸しの結果がこれです。
イロハがホワイトボードに表を書く。
| サービス | 月額 | 最後に使った日 | 判定 |
|---|---|---|---|
| Amazon Prime | 600円 | 今日 | ✅ 必須 |
| Kindle Unlimited | 980円 | 先週 | ✅ 活用中 |
| Netflix | 790円 | 3週間前 | ⚠️ 要検討 |
| Adobe CC | 2,728円 | 2ヶ月前 | ❌ 解約候補 |
| Notion Plus | 1,000円 | 毎日 | ✅ 必須 |
| iCloud 200GB | 400円 | 自動 | ✅ 必須 |
Adobe CC、2ヶ月使ってないの?
(少し恥ずかしそうに) Figmaに完全移行したのに、「いつか使うかも」と思って解約していませんでした。2ヶ月で5,456円。
もったいな。
「もったいない」と言えるのは、棚卸しをしたからです。確認しなければ、永遠に気づかない。
棚卸しの3ステップ
で、どうやって棚卸しすればいいの?
3ステップです。
ステップ1。全サブスクをリストアップする。クレジットカードの明細を3ヶ月分確認。Apple/Googleのサブスク管理画面も見る。
明細見るのめんどい。
マネーフォワードや家計簿アプリなら、サブスクを自動検出してくれます。
あー、それなら楽だ。
ステップ2。各サービスの「最終利用日」を確認する。アプリのスクリーンタイム、ブラウザの履歴、メールの受信日——何でもいいので最後に使った日を特定する。
2週間以上使ってなかったら赤信号?
サービスによります。毎日使うもの(Spotify、iCloud)と月1回で十分なもの(Kindle Unlimited)では基準が違います。**「先月、このサービスがなかったら困ったか?」**と自問するのが簡単です。
おー、それはいい基準。
ステップ3。判定と行動。
| 判定 | 基準 | 行動 |
|---|---|---|
| ✅ 必須 | なくなると困る | 継続 |
| ⚠️ 要検討 | たまに使う | 3ヶ月後に再評価 |
| ❌ 解約 | なくても困らない | 今すぐ解約 |
ハクアの棚卸し実況
じゃあ、ボクもやるか。
ハクアがスマートフォンとPCを操作する。
Amazon Prime——毎日使う。必須。iCloud——写真のバックアップ。必須。Spotify——毎日聴いてる。必須。ChatGPT Plus——仕事で使う。必須。GitHub Copilot——毎日使う。必須。
ここまで全部必須ですね。では、Netflix は?
(沈黙) ……先月、何か観た?
覚えていない時点で、答えは出ています。
観たい作品があったときだけ契約して、観終わったら解約するほうが合理的だな。
それを「回転ドア戦略」と呼びましょう。必要なときだけ入って、用が済んだら出る。動画配信サービスは特にこの戦略が有効です。
他にないかな……あ、やば。ドメイン更新。使ってないドメインが2つ残ってる。年間で3,000円くらい。
ドメインは見落としやすいですね。年払いなので月の明細に出てこない。
サブスク管理の仕組み化
でもさ、棚卸しって「やらなきゃ」って思っても忘れるんだよね。
だから仕組み化するんです。
わたしは3ヶ月に1回、カレンダーに「サブスク棚卸し」を入れています。1月、4月、7月、10月の第1日曜日。30分もあれば終わります。
カレンダー入れるだけなら簡単だ。
さらに、サブスク専用のクレジットカードを1枚作るのも有効です。明細を見れば、サブスクの総額が一目でわかります。
分離するのか。賢い。
節約じゃなくて、最適化
一つ、大事なことを言いましょう。
なに。
サブスク棚卸しは節約ではありません。最適化です。
どう違うの?
節約は「出費を減らすこと」が目的。最適化は「価値のあるものに集中すること」が目的です。必要なサブスクまで解約しては本末転倒。ChatGPT PlusやGitHub Copilotは、ハクアちゃんの生産性を何倍にもしている。
そうだね。3,000円のChatGPT Plusを解約して、3時間のリサーチ時間を取り戻すのは馬鹿げてる。
使っていないサービスを解約し、浮いたお金で本当に価値のあるサービスに投資する。それが棚卸しの本質です。
(Netflixの解約ボタンを押しながら) ……よし。月790円浮いた。これでKindle Unlimitedに入ろうかな。
いい最適化です。
イロハの本棚
この記事で触れた書籍と、さらに深く知りたい人への推薦図書。
メイン書籍
『エッセンシャル思考』 グレッグ・マキューン(かんき出版、2014年)
イロハの一言: 「より少なく、しかしより良く。サブスクだけでなく、人生のあらゆる選択に通じる原則です。」
関連書籍
- 『サブスクリプション』 ティエン・ツォ — サブスクビジネスの構造を理解する
- 『お金の大学』 両@リベ大学長 — 固定費の見直しから始める家計最適化