「読みたいけど読めない」問題
社会人の平均読書量は月1冊以下と言われる。「忙しくて時間がない」「読み始めても続かない」「読んでも忘れてしまう」——読書の壁は、本の選び方や読み方ではなく、習慣の仕組みにある。
本記事では、3冊の読書術の本を紹介しつつ、2026年の読書環境(Kindle、Audible、楽天ブックス等)を活用した実践的な読書習慣の作り方を解説する。
読書プラットフォームの選び方
フォーマット比較
| フォーマット | メリット | デメリット | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 紙の本 | 集中力が高まる、書き込みやすい | 持ち運びに制限 | 熟読したい本 |
| 電子書籍(Kindle) | 即購入、検索可能、大量保管 | 目が疲れる | 通勤中、旅行中 |
| オーディオブック(Audible) | ながら聴きできる | 戻り読みしにくい | 運転中、家事中 |
サブスクリプション活用
| サービス | 月額 | 特徴 |
|---|---|---|
| Kindle Unlimited | 980円 | 200万冊読み放題、ビジネス書充実 |
| Audible | 1,500円 | 12万冊聴き放題、倍速再生対応 |
| 楽天ブックス | - | ポイント還元、楽天スーパーSALE時に大量購入 |
おすすめの組み合わせ: Kindle Unlimited(多読用)+ 紙の本(精読用)+ Audible(移動時間用)。すべてを契約する必要はなく、自分のライフスタイルに合った1-2つを選ぶ。
『読書の技法』佐藤優
概要
元外交官・作家の佐藤優が、月300冊を処理する読書術を公開。
読みどころ
- 3段階の読書: 佐藤優は読書を「超速読」「速読」「熟読」の3段階に分類する。すべての本を同じ深さで読む必要はない
| 段階 | 時間 | 目的 | 方法 |
|---|---|---|---|
| 超速読 | 5分 | 読む価値があるか判断 | 目次・前書き・結論を流し読み |
| 速読 | 30分 | 概要を把握 | 見出しと太字だけを追う |
| 熟読 | 数時間 | 深く理解する | 線を引きながらじっくり読む |
-
「読まない」判断の重要性: 月に30冊手に取っても、熟読するのは3-5冊。残りは超速読・速読で処理するか、読まないと判断する。読書量を増やすコツは「読む本を増やす」ではなく「読まない本を決める」こと
-
知識の体系化: 読んだ本を3色ボールペンで線引きし、重要箇所をノートに転記する。この「手で書く」行為が記憶の定着に繋がる
実践への応用
Kindleのハイライト機能と、佐藤優の3色メソッドを組み合わせると効果的。Kindleでは黄色・青・ピンク・オレンジの4色でハイライトでき、後からWebやアプリで一覧できる。
『知識を操る超読書術』メンタリストDaiGo
概要
心理学・脳科学の研究をベースにした、科学的な読書術。
読みどころ
-
読む前の準備が9割: DaiGoは「読む前にすべきこと」に最も多くのページを割く。「この本から何を得たいか?」を明確にしてから読み始める。目的なく読むと、情報が素通りする
-
メンタルモデルの活用: 既存の知識と新しい情報を結びつけることで、記憶の定着率が飛躍的に上がる。「この著者の主張は、前に読んだ〇〇の理論と矛盾するか? 補強するか?」と問いながら読む
-
アウトプットの設計: 読んだ内容を「自分の言葉で」誰かに説明する。ブログを書く、SNSに投稿する、同僚に話す——アウトプットの予定があると、インプットの質が上がる
実践への応用
「目的を決めてから読む」は、Kindle Unlimitedの多読と相性が良い。読み放題なので、超速読で目的に合わないと判断したら即座に次の本に移れる。
『読んだら忘れない読書術』樺沢紫苑
概要
精神科医の樺沢紫苑が、脳科学の知見をもとに「記憶に残る読書」の方法を解説。
読みどころ
-
インプットとアウトプットの黄金比: 脳科学の研究によると、インプット3:アウトプット7が記憶定着の最適比率。読書に置き換えると、読む時間の倍以上を「考える」「書く」「話す」に使うべきだ
-
15分読書法: 人間の集中力は15分で一区切りがある。通勤の15分、昼休みの15分、寝る前の15分——15分×3回で1日45分の読書時間を確保する
-
スキマ時間の活用: まとまった時間を確保しようとするから読書が続かない。スキマ時間に読むことを前提に、常に「読みかけの本」をスマホ(Kindleアプリ)に入れておく
実践への応用
AudibleをiPhoneのウィジェットに配置し、通勤中はワンタップで再生。Kindleアプリをホーム画面の目立つ位置に置く。読書へのアクセスコストを下げる環境設計が、習慣化の鍵だ。
読書習慣化の5ステップ
3冊の知見を統合すると、以下のステップが浮かび上がる。
1. 環境を整える
- Kindleアプリをスマホのホーム画面に配置
- Audibleをワイヤレスイヤホンと連携
- 紙の本を常に1冊カバンに入れる
2. 時間を決める
- 通勤中(Audible/Kindle)
- 昼休み15分(Kindle/紙)
- 就寝前15分(紙/Kindle Paperwhite)
3. 読み方を使い分ける
- 新刊ビジネス書: 超速読 → 価値があれば速読
- 古典・教養書: 熟読
- 技術書: リファレンス的に必要な章だけ
4. アウトプットを設計する
- 読書メモをNotionやObsidianに記録
- 月1回、読んだ本のレビューをSNSに投稿
- 気に入った本は人に推薦する
5. 定期的に見直す
- 月初にKindle Unlimited/Audibleの利用状況を確認
- 読まないサブスクは一時停止
- 楽天スーパーSALEでまとめ買い(紙の本)
関連書籍
- 『アウトプット大全』樺沢紫苑 - 読書以外のアウトプット術も網羅
- 『独学大全』読書猿 - 独学のためのメソッド事典
- 『エッセンシャル思考』グレッグ・マキューン - 「何を読まないか」を決める思考法
まとめ
読書習慣の敵は「意志力の弱さ」ではなく「仕組みの不在」だ。Kindle Unlimitedで多読のハードルを下げ、Audibleで移動時間を活用し、紙の本で深い読書をする——プラットフォームを使い分けることで、読書は「特別な行為」から「日常の一部」になる。
3冊の読書術が共通して言うのは、読む前の準備とアウトプットが読書の質を決めるということ。目的を持って読み、自分の言葉で語る。このサイクルを回すことで、読んだ本が知識として定着し、行動を変える力になる。