「楽天証券とSBI証券、どちらを選ぶべきか?」
これは投資初心者が最初に直面する疑問である。両社とも手数料無料、NISA対応、iDeCo対応と、基本スペックは同等に見える。しかし、クレカ積立の還元率、ポイントプログラム、生活スタイルとの相性によって、最適な選択は変わる。
本記事では、楽天証券とSBI証券を10項目で徹底比較し、年間ポイント獲得シミュレーション、10年間の総合コスト計算、生活スタイル別の最適選択を提示する。
⚠️ 投資に関するリスクについて
株式投資・投資信託には元本割れリスクがあります。市場の変動により、投資元本を下回る損失が発生する可能性があります。投資は余裕資金で、自己責任において行ってください。本記事は特定の証券会社を推奨するものではありません。
楽天証券とSBI証券の基本情報
会社概要
| 項目 | 楽天証券 | SBI証券 |
|---|---|---|
| 口座数 | 約1,100万口座 | 約1,200万口座 |
| 預かり資産 | 約30兆円 | 約35兆円 |
| 設立 | 1999年 | 1999年 |
| 親会社 | 楽天グループ | SBIホールディングス |
| 強み | 楽天経済圏との連携 | 業界最大手、商品ラインナップ |
両社とも国内トップクラスのネット証券であり、基本スペックに大きな差はない。差が出るのはポイントプログラムと生活スタイルとの相性である。
10項目で徹底比較
1. 手数料
| 手数料項目 | 楽天証券 | SBI証券 |
|---|---|---|
| 国内株式(現物) | 無料 | 無料 |
| 国内株式(信用) | 無料 | 無料 |
| 米国株式 | 0.495%(最低0ドル〜最大22ドル) | 0.495%(最低0ドル〜最大22ドル) |
| 投資信託(購入時) | 無料(ノーロード) | 無料(ノーロード) |
| 投資信託(信託報酬) | ファンドによる | ファンドによる |
結論: 手数料は完全に同等。どちらを選んでも損はしない。
2. クレカ積立還元率
楽天証券
| カード | 還元率 | 年会費 | 月5万円積立時の年間還元 |
|---|---|---|---|
| 楽天カード | 0.5%〜1.0% | 無料 | 3,000〜6,000円 |
| 楽天ゴールドカード | 0.75%〜1.0% | 2,200円 | 4,500〜6,000円 |
| 楽天プレミアムカード | 1.0% | 11,000円 | 6,000円 |
※2024年9月以降、代行手数料0.4%未満のファンドは0.5%還元に変更
SBI証券
| カード | 還元率 | 年会費 | 月5万円積立時の年間還元 |
|---|---|---|---|
| 三井住友カード(NL) | 0.5% | 無料 | 3,000円 |
| 三井住友カードゴールド(NL) | 1.0% | 5,500円(条件達成で無料) | 6,000円 |
| 三井住友カードプラチナプリファード | 5.0% | 33,000円 | 30,000円 |
結論: 年会費3.3万円を払える場合、SBI証券 + 三井住友プラチナプリファードが圧倒的。年会費が気になる場合は楽天証券とほぼ同等。
3. ポイントプログラム
| 項目 | 楽天証券 | SBI証券 |
|---|---|---|
| 貯まるポイント | 楽天ポイント | Vポイント / Pontaポイント / dポイント |
| ポイント投資 | ○(楽天ポイント) | ○(Vポイント、Pontaポイント) |
| ポイント利用範囲 | 楽天市場、楽天Pay等 | コンビニ、スーパー、各種加盟店 |
結論: 楽天市場を頻繁に使うなら楽天証券。それ以外はどちらも同等。
4. 取扱商品数
| 商品 | 楽天証券 | SBI証券 |
|---|---|---|
| 投資信託 | 約2,600本 | 約2,700本 |
| 国内株式 | 全銘柄対応 | 全銘柄対応 |
| 米国株式 | 約4,700銘柄 | 約5,600銘柄 |
| 外国株式 | 6カ国 | 9カ国 |
| IPO取扱実績(2024年) | 約60社 | 約90社 |
結論: SBI証券の方が商品ラインナップが豊富。特に米国株・IPO狙いならSBI証券。
5. NISA対応
| 項目 | 楽天証券 | SBI証券 |
|---|---|---|
| つみたて投資枠 | ○ | ○ |
| 成長投資枠 | ○ | ○ |
| 対象商品数 | つみたて: 約220本 成長: 約2,500本 | つみたて: 約220本 成長: 約2,600本 |
結論: どちらもNISA対応は同等。
6. iDeCo対応
| 項目 | 楽天証券 | SBI証券 |
|---|---|---|
| 運営管理手数料 | 無料 | 無料 |
| 商品ラインナップ | 32本 | 37本 |
| eMAXIS Slim全シリーズ | ○ | ○ |
結論: SBI証券の方が商品数が多いが、主要ファンドはどちらも揃っている。
7. スマホアプリの使いやすさ
| 項目 | 楽天証券(iSPEED) | SBI証券(株アプリ) |
|---|---|---|
| App Store評価 | 4.3 / 5.0 | 4.2 / 5.0 |
| Google Play評価 | 4.1 / 5.0 | 4.0 / 5.0 |
| 特徴 | シンプル、直感的 | 高機能、カスタマイズ性高 |
結論: 楽天証券の方がわずかに評価が高い。初心者向けは楽天、上級者向けはSBI。
8. サポート体制
| 項目 | 楽天証券 | SBI証券 |
|---|---|---|
| 電話サポート | 平日8:00〜18:00 | 平日8:00〜17:00 |
| チャットサポート | ○ | ○ |
| AIチャット | ○ | ○ |
結論: どちらもサポート体制は同等。
9. IPO(新規公開株)取扱
| 項目 | 楽天証券 | SBI証券 |
|---|---|---|
| 2024年取扱実績 | 約60社 | 約90社 |
| 抽選方式 | 完全平等抽選 | ポイント制(IPOチャレンジポイント) |
結論: IPO狙いならSBI証券。取扱数が多く、ポイント制で当選確率を上げられる。
10. 単元未満株(ミニ株)
| 項目 | 楽天証券 | SBI証券 |
|---|---|---|
| サービス名 | かぶミニ | S株 |
| 手数料 | 無料 | 無料 |
| リアルタイム取引 | ○ | ○ |
結論: どちらも無料で同等。
編集部の分析
年間ポイント獲得シミュレーション
クレカ積立を活用した場合の年間ポイント獲得額を試算する。
ケース1: 月1万円積立(年間12万円)
| 証券会社 | カード | 還元率 | 年間獲得ポイント |
|---|---|---|---|
| 楽天証券 | 楽天カード | 1.0% | 1,200円 |
| SBI証券 | 三井住友カード(NL) | 0.5% | 600円 |
| SBI証券 | 三井住友ゴールド(NL) | 1.0% | 1,200円 |
| SBI証券 | 三井住友プラチナプリファード | 5.0% | 6,000円 |
ケース2: 月3万円積立(年間36万円)
| 証券会社 | カード | 還元率 | 年間獲得ポイント |
|---|---|---|---|
| 楽天証券 | 楽天カード | 1.0% | 3,600円 |
| SBI証券 | 三井住友カード(NL) | 0.5% | 1,800円 |
| SBI証券 | 三井住友ゴールド(NL) | 1.0% | 3,600円 |
| SBI証券 | 三井住友プラチナプリファード | 5.0% | 18,000円 |
ケース3: 月5万円積立(年間60万円、上限)
| 証券会社 | カード | 還元率 | 年間獲得ポイント |
|---|---|---|---|
| 楽天証券 | 楽天カード | 1.0% | 6,000円 |
| SBI証券 | 三井住友カード(NL) | 0.5% | 3,000円 |
| SBI証券 | 三井住友ゴールド(NL) | 1.0% | 6,000円 |
| SBI証券 | 三井住友プラチナプリファード | 5.0% | 30,000円 |
結論: 月5万円積立なら、SBI証券 + 三井住友プラチナプリファードで年間3万円のポイント還元。年会費3.3万円を払っても、積立額が大きければ十分ペイする。
10年間の総合コスト比較
月5万円を10年間積立した場合の総合コストを試算する。
前提条件:
- 積立額: 月5万円 × 12ヶ月 × 10年 = 600万円
- 手数料: 両社とも無料
- クレカ積立還元のみで比較
楽天証券 + 楽天カード(還元率1.0%)
- 10年間の還元: 6,000円 × 10年 = 6万円
- 年会費: 0円
- 実質獲得: 6万円
SBI証券 + 三井住友カードゴールド(NL)(還元率1.0%)
- 10年間の還元: 6,000円 × 10年 = 6万円
- 年会費: 0円(条件達成で無料)
- 実質獲得: 6万円
SBI証券 + 三井住友プラチナプリファード(還元率5.0%)
- 10年間の還元: 30,000円 × 10年 = 30万円
- 年会費: 33,000円 × 10年 = 33万円
- 実質獲得: -3万円
※ただし、三井住友プラチナプリファードは他の利用でもポイントが貯まるため、積立以外の利用を含めれば年会費はペイする。
結論: 楽天カードまたは三井住友ゴールド(NL)なら同等。プラチナプリファードは積立だけでは年会費をペイできないが、他の利用を含めればメリット大。
楽天経済圏活用度別の最適選択
楽天市場を月1回以上利用する場合:
- 楽天証券を選ぶと、SPU(スーパーポイントアッププログラム)で楽天市場の還元率が+1倍
- 楽天カード、楽天証券、楽天銀行を連携すれば、楽天市場での買い物が常時5〜10倍還元
- 月3万円の買い物で1,500〜3,000ポイント獲得
楽天市場をほとんど使わない場合:
- 楽天証券のメリットは薄い
- SBI証券 + 三井住友カードゴールド(NL)が無難な選択
クレカ還元を最大化したい場合:
- SBI証券 + 三井住友プラチナプリファード
- ただし年会費3.3万円がネック
- 積立額が月5万円未満なら、年会費を回収できない可能性あり
ケース別おすすめ診断
ケース1: 楽天市場ユーザー → 楽天証券
該当する人:
- 楽天市場で月1回以上買い物をする
- 楽天カード、楽天銀行を既に使っている
- 楽天ポイントを効率的に貯めたい
メリット:
- SPUで楽天市場の還元率が上がる
- 楽天ポイントが一元管理できる
- 楽天経済圏との相乗効果
選ぶカード:
- 楽天カード(年会費無料、還元率1.0%)
ケース2: クレカ還元を最大化したい → SBI証券
該当する人:
- 月5万円の積立ができる
- 年会費3.3万円を払える
- 積立以外でもクレカ利用が多い
メリット:
- 年間3万円のポイント還元
- 他の利用でもポイントが貯まる(海外利用3%、コンビニ・飲食店5%)
選ぶカード:
- 三井住友カードプラチナプリファード(年会費3.3万円、還元率5.0%)
ケース3: 米国株・IPO狙い → SBI証券
該当する人:
- 米国株を中心に投資したい
- IPO(新規公開株)に応募したい
- 商品ラインナップの豊富さを重視
メリット:
- 米国株の取扱銘柄が多い(約5,600銘柄)
- IPO取扱実績が多い(年間約90社)
選ぶカード:
- 三井住友カードゴールド(NL)(年会費実質無料、還元率1.0%)
ケース4: 初心者で迷っている → どちらも同等
該当する人:
- 投資初心者で、まず少額から始めたい
- 楽天経済圏にこだわりはない
- クレカ還元も気にしない
メリット:
- どちらを選んでも基本スペックは同等
- 手数料無料、NISA対応、iDeCo対応
選ぶカード:
- 楽天カード or 三井住友カード(NL)(どちらも年会費無料)
口座開設の手順
必要書類
共通の必要書類:
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証等)
- マイナンバー確認書類
- メールアドレス
スマホで本人確認(eKYC)を使えば、最短翌営業日に口座開設完了。
開設の流れ
楽天証券:
- 楽天証券公式サイトから口座開設申込
- 本人確認書類をアップロード(スマホで撮影)
- 初期設定(暗証番号、NISA口座、楽天銀行連携等)
- 審査完了後、ログインID・パスワード発行
SBI証券:
- SBI証券公式サイトから口座開設申込
- 本人確認書類をアップロード(スマホで撮影)
- 初期設定(暗証番号、NISA口座等)
- 審査完了後、ログインID・パスワード発行
初期設定のポイント
1. NISA口座を同時開設
- 後から開設すると手間がかかる
- 最初の申込時に「NISA口座も開設する」にチェック
2. 銀行口座連携
- 楽天証券 → 楽天銀行マネーブリッジ(普通預金金利0.1%)
- SBI証券 → 住信SBIネット銀行SBIハイブリッド預金(普通預金金利0.01%)
3. クレカ積立設定
- 口座開設後、クレジットカードを登録
- 積立設定で「クレカ積立」を選択
まとめ
楽天証券とSBI証券は、基本スペックはほぼ同等。差が出るのはポイントプログラムと生活スタイルとの相性である。
楽天証券を選ぶべき人:
- 楽天市場を頻繁に使う
- 楽天ポイントを効率的に貯めたい
- 楽天経済圏との相乗効果を狙う
SBI証券を選ぶべき人:
- クレカ還元を最大化したい(三井住友プラチナプリファード)
- 米国株・IPOに興味がある
- 商品ラインナップの豊富さを重視
どちらを選んでも損はしない:
- 手数料無料、NISA対応、iDeCo対応
- 投資初心者なら、まず楽天カードor三井住友カード(NL)で始めて、後から判断でもOK
最も重要なのは、証券会社選びよりも、投資を始めることである。楽天証券でもSBI証券でも、どちらを選んでも長期投資で資産形成は十分可能だ。
※ 本記事は情報提供を目的としており、特定の証券会社や投資戦略を推奨するものではありません。証券口座の開設および投資判断は、ご自身の状況を踏まえ、自己責任で行ってください。